top of page
River Hybrids 賽取左衛門

Rver Hybrids SAITORI SAEMON
 

Audio(4:51), Video, Photo, 石、ブラックバスの皮、蔵の端材等 (2022) 

20221111-IMG_5209.png

第8回 蔵と現代美術展
11/3/2022-11/13/2022

蒼頡(そうけつ)とは漢字を発明したとされる中国の伝説上の人物。「4つの目」とすぐれた視力を持ち、動物の足跡を観察することで漢字を発明したとされている。


本作では、「文字でありながらイメージでもある」漢字を題材に、AIによってその発生のプロセスを再演する。象形文字である漢字とその元となった自然のイメージの対応関係を学習したAIが、新規の画像や映像を読み込み、対応する象形・漢字様の文字を生成する。

 

両壁面にはAIが学習した大量の漢字と対応する画像データが掲げられており、AIと伝説を繋ぐ4つの目(自然を見る一対の目と文字を見るもう一対の目)がそれらを眺める。

Through object detection technology used in autonomous driving and more, the streets of Shibuya were converted into a landscape of letters.
The names of the identified objects were converted into Japanese characters with kanji as the focus. The size of the characters reflects that of the detected object.

 

The types of identifiable objects and their accuracy depend on the training data. Since the data set used for training was prepared for autonomous driving, many misinterpretations may also be included, such as recognizing a wall as a refrigerator or a statue of Hachiko as a teddy bear or a horse, while humans and vehicles are detected with high accuracy.
 

埼玉県寄居町でのアーティスト・イン・レジデンスを通じた、荒川に根付く民話と生態系、愛石文化のリサーチに基づく制作。

 

蔵の中に響き渡る音声は、寄居町で伝えられる竜宮伝説を機械音声が読み上げたもの。この竜宮伝説には、川の淵の底が竜宮城へと繋がっていたり、ヒロインが途中で交代するなど、不可解なところが多数ある。

築百年の蔵の壁面を照らす出すプロジェクションは、伝説の舞台、荒川の支流・深沢川の淵のひとつ「船窯」を水中ドローンで探索する映像。2点の写真に映るのは竜宮伝説の主人公・賽取左衛門(さいとりさえもん)に扮した作者。作者が被るお面は、近辺で釣れたブラックバスの皮で作られています。作者は” 貧しく体中に臭いおできができているため、村人から避けられている”左衛門と駆除の対象である外来魚・ブラックバスのイメージを重ね合わせた。

展示空間の中に散らばる石は、荒川の河原で採集されたもの。更に作者はこれらの石を河原で撮影し、人工知能に学習させ、存在しない石のイメージを生成しました。

 

本作は民話や石といった川の歴史的な側面と、外来魚や人工知能といった現代性を接続することで、人間にとって川がいかなる存在であるかを問いかける。

参考文献

石田英敬・東浩紀(2019)新記号論 脳とメディアが出会うとき, ゲンロン. 

DSC_2260-3_low.png

機械学習:新倉 健人(共同制作)
調理・魚皮処理:関根 一弥
写真撮影:村田 直樹
写真印刷:山本渉(B Cafe&Lab)
リサーチ協力:埼玉県立川の博物館、寄居愛石会

bottom of page