機械詩の部屋

Machine Poetry Room

Box, Printer, Printing paper, PC, AI, Human (2020)
 

石橋 友也  新倉 健人
    Tomoya Ishibashi Kento Niikura  

詩を綴るAIと、詩を綴るAIの文体を模倣する人間

An AI that writes poetry and a human who mimics the writing style of the AI that writes poetry

「Input」と「Output」と記された黒い大きな箱と記入台がある。体験者は詩のお題(タイトル)となる言葉を紙に記入し、黒い箱に投入する。数分後に箱からプリントアウトされた詩が2枚出てくる。1枚は大量の日本語文章を学習したAIが自動生成したもの、もう1枚はAI特有の文体を模倣する特殊な訓練を受けた人間によるものであり、一見すると見分けがつかない。


作者らは以前から深層学習によって詩(に見える短文)を自動生成する実験を繰り返してきた。自動生成させる詩の理想的なアウトプットのラインを見極めるために、作者自身も詩を大量に読み、書きながら実験を繰り返した。特に、AI特有の論理の飛躍や語尾の連続といった特徴が、子供の書いた詩や知的障害を持つ人の書いた詩と共通項があることを発見し、それらの詩を参考にしながらエンジニアリングを行った。そのような過程の中で、AIが綴る詩と我々が書く詩は近似していき、かくしてAIの綴る詩の文体を模倣できる人類が誕生したのであった。


シンギュラリティの議論が盛んにされる中、将棋や囲碁の世界ではAIの指し手から棋士が学ぶといった逆転現象が起きている。 本作では詩作という古典的な文章表現において、人間がAIを模倣するという転倒した構造の導入を試みる。

Photo: Ken Kato Photo courtesy: Tokyo Arts and Space

Photo: Ken Kato Photo courtesy: Tokyo Arts and Space

©2020 Tomoya Ishibashi