石橋友也の勝手に回顧展@曼荼羅美術館

2014

【上】展示会場全体図.【左下】高校・大学時代に制作した『チョコレート・ショック』(2006)と『仏涅槃図』(2011).【右下】大学院時代に制作した『金魚解放運動』(2012~)と『Revital HgS』(2013)。大学院卒業後に制作した三点一組の仏画『デカルコマニーによるマンダラ』(2014).

デカルコマニーによるマンダラ(2014)

 私は15歳から21歳にかけて、仏画を中心とした伝統的な絵画や図鑑からモチーフを引用し、絵画作品を制作してきた。その後、大学院に在籍し、金魚解放運動(2012-)Revital HgS(2013)といった生物学の知識を用いた作品群を制作している間、絵画制作は中断していた。

 

 大学院を修了し、改めて絵画制作を行おうと思い、その中心的な要素であった仏画への理解を深めるため、仏画教室(※)に通い始めた。

 

 教室に通い始めて半年が経ち、年に一度の教室の成果発表会を兼ねた展示を控えた頃、まだ日本画による伝統的な技法に慣れていなかった私は、展示に出す作品を決めかねていた。その時、教室の先生から「昔の仏画とか金魚もだしちゃいなよ」という一言があり、過去作を含む展示を行うことになった。

 こうして、自身にとっても、その接続が明らかでない、絵画作品と生物学の知識を用いた作品の入り交じる展示を行うことになった。展示を構想する中で、半ば必然的に自身の半生を振り返ることになり、制作活動の根底あるモチベーションを掘り下げながら、新作を制作することになった。

 

 自身も無自覚なままに、寺院という宗教的な施設での展示は、プチ回顧展の様相を呈していくのであった。

※真言宗智山派の寺院である慈雲山曼荼羅寺観蔵院(練馬区)では、染川英輔氏を講師に招き、仏画教室を30年間以上に渡って開催している。寺院に併設された『曼荼羅美術館』では染川英輔氏の作品を中心とした現代仏画・曼荼羅を所蔵・展示しており、年に一度、講師と招待作家、教室に参加する生徒達の成果発表を兼ねた展示が行われる。本作『石橋友也の勝手に回顧展』は『第20回 仏画・悉曇特別展』(2014. 11. 1〜11.5)の一部として展示した。 

会期中に催したトークイベント『理工学部で金魚を育てていた僕が、なぜ曼荼羅を描いているのか』(2014. 11.3)
オーディエンスの平均年齢は65歳くらい。

会場に設置した各作品を解説するキャプション。

©2018 Tomoya Ishibashi